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八ヶ岳では6月初旬頃からいよいよ稜線に
も春がやって来て高山植物が開花期を迎
えます。
そして9月中旬頃までの夏山といわれるほん
の短期間に標高2900m近いこの高山帯に
は春から秋までがイッキに凝縮された形で
訪れるので半月も進むとその花たちの顔触
れも次々と変ってゆきます。
どの花も必死に咲いて、慌てふためくような
命のリレーを狭い岩場で繰り広げているこ
とを知るといつもダラダラ生きてる自分の日
常をかなり反省させられてしまいます。
そんな驚嘆世界の先頭を切って登場するの
がここ八ヶ岳では「ツクモグサ」というキンポ
ウゲ科の花です。
あのオキナグサと近縁でもありそれがより
高山適応化したと思われるこの花は、下界
で一番気候が良くなる5月でもまだ沈黙を
守り、6月に入って人々が梅雨空を見上げ
て山行きをしばし躊躇する不安定な気候と
なる正にその隙を突いてパッパッと開花し
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