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[フシグロ]
草丈の割に小さな花でした。
例えば同じ頃に見るアケボノソウやヒナノウスツボなどもこうした写真表現だけでは
客観的な全体像が伝わりにくい花ですが、このフシグロの場合もそんな感じです。
このところ園芸一般でシレネ(ナデシコ科マンテマ属のこと)と呼ばれる仲間の海外品種が
既に何種も庭先から逃げ出して帰化植物となっている現状を見るにつけ、
この手の花では昔から国内で頑張ってきた「フシグロ」の存在を図鑑で知り
以前からすごく気になっていたのです。
それで、今回ようやくそれとおぼしき花に巡り会ったのですが、まずその第1印象は
「小っちゃ〜〜い!!」でした(笑)
しかも間伸びした茎の節ごとに疎らに付く
白い花のため遠目には全く見映えのしないものでした。
小さな花でもムシトリナデシコのようにトップに集中して色鮮やかならばともかく、
これでは装い華やかな海外からの帰化種シレネ勢のすみに追いやられてしまうのも
無理ないな〜〜とやるせない思いで納得させられたのでした。
思えば、フシグロセンノウがあの色と大きさで今も日本古来自生種のポジションを
堂々キープしつづける一方で、こちらのフシグロは静かに忘却の彼方へと
消え入る運命でしょうか。
そんな危ういポジションながらもそばに寄ってよく見ると、なかなか
愛嬌たっぷりの花を付けた味わい深い野草なので、
ひっそりとでも生き残り続けてもらいたいと願わずにはいられませんでした。
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[クズの白花]
どんどん後方へと流れる視界の両サイドがあの紅紫色のクズの花だらけの車道を
しばらく走行中に「あっ!!」と目に止まったのがこの白花品でした。
これは緊急事態なので直ちにハザード点灯でストップして慌てて降りて数十メートル
小走りに戻って撮ってきたのですが、かなり不審な人物と写ったことでしょう(笑)
どんな原因による突然変異かは分かりませんが、ちょっと観察すると一連の長い蔓性となっている
この個体に咲いていた花だけが見事に全てこうした白花となっていました。
しかし、面白いというか不思議な事にどれも花の中央部(旗弁下部の一画)だけは
本来の黄色斑がまだそのまま残っているんですよね。
これはいったいどういうことなんだろう??
根本的にこの小さなポイントカラーの黄色斑はクズの花全体色とは全く別の因子で
色素形成されるものなのかな〜謎です!
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[マメアサガオ]
草刈りを怠った市街地隙間のちょっとした空地や付随のフェンスなんかに時折はびこっている
小さな朝顔の1つがこの「マメアサガオ」という品種です。
以前、当コーナーでは「ホシアサガオ」を掲載しましたが大きさはどちらも直径1〜2cmと小粒で、
やはりいつの間にか国内(主に関東以西)のあちこちで報告例があり、戦後入ってきた
北米南部原産の比較的新しい帰化種ながらも甲乙つけがたい可愛らしさの朝顔です。
そういえば小粒という点からすると同じヒルガオ科ではルコウソウやマルバルコウなども
有りますが、マメアサガオとホシアサガオは「サツマイモ属」となるのでいっそう素朴な
キャラクターに思えてきます♪
しかし、こうした空地の管理状況は急に建物が建ったり毎年刻々と変わることも
多いので来年も同一箇所で見られる保証は全くないし、また逆にどこに突然出現するかもしれずで
或る意味とてもスリリングな街中の野草事情となっていますね。
その度に喜んだり嘆いたりと忙しいことしきりです(笑)
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[タチキランソウ]
今年8月下旬、本栖湖北部の山域を通る林道の「八坂峠」付近で出会った花です。
標高約1000mで、林縁の半日陰に数株咲いていました。
同じ辺りでカワミドリ、シモバシラ、ミツモトソウなども咲いている環境でした。
実は今までも時たまこのタイプを見掛けていたのですが、
正体不明でしばらく保留中の花でした。
キランソウ似だけど、すっきり直立(約25cm)して生えていて、ではオウギカズラかな?
と思っても葉の様子がチト違うしで悩んでいました。
そこで今回は普段面倒くさくて苦手な(笑)ネット検索を試みると、手持ちの図鑑に
記載のなかった「タチキランソウ」ってのがあるじゃないですか!
自生分布域的にもまず問題がなく、花自体の「上唇が2裂してその先が尖る」という
細かな特徴も一致するように見られるので一応OKとなりました。
ただ・・・やはり気になるのは花期がキランソウとほぼ同じく春先から5〜6月という点でした。
こうした春の花の「返り咲き」を見るにはかなり早過ぎるのでは?と
感じるまだ真夏日の続く時期でしたのですっきり判別の実感はなく、
今後も機会があれば春先に同じ地点に確認しに行きたい花なのでした。
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[ガンピ]
以前当コーナーでは「コガンピ」という一見したところ
草本類かと見紛うようないでたちのジンチョウゲ科の低木(高さ40〜50cm)の花姿を
掲載した事がありました。
その際、同科で単に「ガンピ」という木があることも調べついでに知って、このガンピの樹皮が
昔からの高級和紙『雁皮紙』の原料になるのだということも知るに至った経緯がありました。
和紙原料としては、これまでよく見るミツマタやコウゾの木に次いでこんな木もあるのか〜!と
遥か昔の人々が自然の産物から選出してこうした物づくりをした知恵やセンスと
その伝統に改めて感心してしまうのでした。
そんなわけで、まだ見ぬガンピをちょっぴり意識の端に置いてはいたんですが、
いつも出会いは何気無くも突然に!って感じで・・(笑)
この9月初めにトキリマメ、ノササゲ、ヤブマメ、ノアズキ、ヤブツルアズキなど
こちらで普通に見る蔓性のマメ科の「花と豆果が一緒♪」のショットが欲しくて
撮れそうなビミューなタイミングを計って近所の雑木林に出向いた時に、
高さ1,5m程の細身の木に咲く微小な黄色い花を偶然見つけたのでした。
もう花の盛期はだいぶ過ぎていた様子で、わずかに咲き残っていたものを
写したのがこの画像です。
あえて例えるならば、科は違えどイボタノキの花の小ささと花付き具合が
イメージ的に似ていましたよ(笑)
さあ!これでひとまず「ガンピ」「コガンピ」双方に出会えたな〜♪と
ちょっぴり充実安堵したのも束の間、「キガンピ」なんていうウソのような存在をつい最近知ってしまいました〜
キガンピの樹高はガンピと同程度ですが、葉はガンピの互生並びに対して対生並びで
付く特徴があるんだって〜〜!
なんとこの世界も奥深いのでしょう!!(笑)
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[サンショウバラの実]
別名ハコネバラとも称される箱根及び富士山周辺の地域固有種で日本の野生バラとしては
特大(径5〜6cm)の花を咲かせるこのバラは、やはり当コーナーで1度自生の花姿を
紹介しましたが今回は秋になる「実」の姿です。
これはつい先日(9月19日)住んでいるエリアも近い為花散策主体の山歩きでは御一緒する機会も多い
motoさん(相互リンクのネッ友さんです)と
山中湖北方の「杓子山」に行った時、その登山路沿いで頭上の高さになっていた
「実」でしたがバラ科は直感できてもあまりに異様ででっかくトゲトゲだらけの
見慣れない「実」のため2人ともその場では解答が出なかった曰く付きの一品です(笑)
こうした自生分布域の山でもそうやたらと見掛けないサンショウバラなので花期以外に
不用意に遭遇してしまうと面食らうものですね!
でもこんな経験が強いインパクトとなって、まずは初対面のサンショウバラの「実」の
思い出としてたぶん忘れられない存在となるでしょう。
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