ちょっと気になる花 <夏編> 2005
[ヤナギランの雌しべにこだわれば・・(笑)]

夏の各地高原で出会う機会の多いヤナギランの花には以前から
どうも腑に落ちない事がありました。
それは、綺麗にピンと雄しべが揃っている花だな〜♪と思ってイザ近づくと・・
アレレ?中心に私の大好きなあのクルンと巻いた(先端4裂の)可愛い雌しべさんが
な〜〜い!という点でした。→右上の小画像

そしてようやくコレは!という形の雌しべがあった〜♪と思うと、ナント今度は
まわりの雄しべたちがグッタリ精彩を欠いていて絵にならずでいつもトホホな気持ちに
させられていたのです。→大きな画像

この事は今では結論からいって、雄しべ先熟でその役目終了後に時間差で例の雄しべが
遅れて発達してくるこの花の鉄壁とも思える自家受粉防止システムを理解してからは
ナルホド!!って感じですが、それまでずっと雌雄パーフェクトな「しべ」の
美しいモデルさん捜しにヤッキになっていた事が我ながら笑えます〜。
ちょっと気になる花 <夏編>
[ナンバンハコベ]

この花、純然たる国産(在来)種だったのにあまりにヘンテコリンな形の花なもんで
「コリャ南蛮渡来だよきっと!」・・な〜〜んて簡単に誰かが(ダレだ〜!)
決めつけちゃって名付けちゃったみたいです(笑)

でもそんなミステイクも無理からぬ気がするな〜〜だいたい花弁が途中で
いきなりカクンと折れ曲がるのはナゼなんだ〜〜〜!

たぶん萼の方が1・2ステップで成長開裂する時の作用でこんな花弁の折れ線が
できるんじゃないかと思うけどそれにしても面白過ぎる個性です。

そして、秋にテカテカ黒光りしている丸い「実」の姿も「ほら出来ました!」っていって
差し出されているような快活で楽しい感じなんですよ。
ちょっと気になる花 <夏編>
[タマガワホトトギス]

休日のほとんどを渓流釣りの旅に費やしていた頃、
御岳山(おんたけさん)北側の岐阜県・飛騨川水系支流の秋神川源流を
詰めている時に初めてこの黄色いホトトギスに気付いたのであった。

私のずっと続く渓流日誌では1990年8月18日の事とあるが、
当時はまだ花の自生種への積極的な関心を持っておらず書かれているのは
渓流魚の地域固有的特徴を示す記述ばかりなのだが(笑)それでも近場の
伊豆の渓流で馴染みの紅色系のホトトギスとは色違いなために
「花も所変わればだな!」と印象に強かった。

その後、中央アルプスや北アルプスを源頭とする何十本もの沢を釣り歩いて
8〜9月だとこのタマガワホトトギスは普通に見られることを実感するのだが、
きっと誰もがそうであるかと思う一番最初に「意識」した出会いがすごく
懐かしく思い出深いです。

それから奥秩父の山々から流れ出る数多くの沢を1つ1つ訪ね歩いていた
歳月の間にもかなりこの花を見掛ける事がありましたが、もう最初の
ときめきは取り戻せない宿命なのでしょう(笑)その代わり自身の中に
徐々に各々の「花」を知りそれらが地域環境でそこに息づく尊い存在で
あり、それまで一心に迫った「源流の野生魚」とも変わらぬ次元の
興味対象になるという感を強くしてゆきました。

そんなわけで、このタマガワホトトギスは私にとってごく初期の取っ掛かりの
花の1つだった気がしています。
ちょっと気になる花 <夏編>
[ヤワタソウ]

富士山西側を囲う毛無山塊でこれ迄に数箇所(いずれも沢沿いで)確認の
ユキノシタ科植物です。この画像は今年7月中旬に久しぶりに同エリアの
新たな箇所(標高約1400m)で出会った時の花です。
それはさて、このヤワタソウの自分なりの感想はジワジワ
良くなってくるタイプだな〜♪ということです。

つまり第一印象では何とな〜くタワミとツヤ感のある大型大味な葉と、
そこからスウ〜〜っと伸びた花茎の先に付く小さめでハッキリしない
クリームイエローの花が、全体として今一つパッとアカ抜けない地味な
キャラだな〜って思ったのでした。
それにそもそも(5年程前に)初めて見た時はコリャ冴えないキク科の花と
出会っちゃったな〜なんて大ボケな事を思ってしまったくらいなんです(笑)

ところが何度かこの花を見るうちに、そのどうにもだらしない葉形や寝ぼけた
花色等がこの花独特のソフト&マイルド路線なんだもんね〜♪
と段々好感を抱くようになってくるのでした。
どん臭かったものがジワジワ良くなるそのへんのファッション感覚にも
似た意識変化は自分でも簡単に説明がつかなくて困ったもんです〜(笑)
ちょっと気になる花 <夏編>
[エゾスズラン]

スズランといえばユリ科ですけど・・・エゾスズランは?・・・となると〜〜〜
こちらはれっきとしたラン科のすこぶる正常(笑)な科名に収まる種類で、
今年初遭遇の花でした。
シラビソの木々にサルオガセが絡まっているような
林縁の熊笹にまぎれるように咲いていました。

花も含めて全体に一見ほぼ緑色をしているため普通に登山路を歩く時には
なかなか気付きにくいタイプの花です。
いったいどんな顔した花かな〜?と思って遠目では分かり辛いその小さな花に
追ってみたら・・・オッ!これはあの「カキラン」に近いタイプだなと
その場で直感しました。

そして、後で図鑑での分類を見たらやっぱり「カキラン属」で正解だったので
ちょっと嬉しくなしました♪
普段「属」までは全部覚えているわけではないので、こんな風に現場で分からないなりにも
分類系統についてイメージ巡らせるひと時が楽しみでもあります。

カキランは、以前この「なんとなくあるばむ」コーナーで取り上げて今もバックナンバーの
どこかに入れてあるはずですが、あのカキランはうちの近くの低山草原のものでした。
それに対してこのエゾスズランは標高1700mでほとんど亜高山環境に近い
シーンの中での出会いでした。

同属両者の自生環境の大きな隔たりと壮大な時間の流れの中での分化プロセスは
知るべくもないのですが、それでも「どこかでつながる仲間だね♪」という
そのバックボーンに何だかとてもロマンを感じてしまいます。
ちょっと気になる花 <夏編>
[シデシャジンはまた失敗!]

かなり気に入っている花なのにうまく写せない!
シデシャジンにはいつもそんなジレンマを覚えます。
ついつい花付きのいい株を選んでしまうのもその敗因の1つでしょうか。
なにしろ花ひとつひとつがとても繊細な形をしているので、それらをウハウハ喜んで
ファインダーで覗いているうちに視点も焦点もどんどん散漫になってきて・・・
結局撮れたものはたいていこの様に何がどうなっているのやらメチャクチャ
分かり辛い画像となってしまうんですね〜〜(笑)

絞り開放でバックはすっきりボカして1コの花だけを美しくマクロ表現で
クローズアップするのも1つの方法ですが、それではせっかく訪れた素敵な野山の
自然環境を置いてきぼりにしてしまう恐れがあって今の私のポリシーには反するし・・
まあヘンに欲ばるのが悪いんだけどね・・・

でもあくまで私の理想はこれと思った自然の見つけもののバックに奥行き感のある
気持ちの良い野山の風情が表現されることなんです。

勿論カメラ&レンズの性能にも関心はあるけど、それ以上にそんな絶対理想の自然配置を
捜し求める気持ちの方が断然強いんです。

しかし、失敗のシデシャジンはどうしよう〜〜〜
今度はもっと花付きまばらな株を選ぼうかな(笑)
それで背景も本当に納得のいく場所や遠近バランスで撮れない時にはそんなシーンに
出会うまでじっと気長に捜し続けるのがやっぱり一番だよね!って思うのでした。


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